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この日は各クラスでのホームルームが終わったら下校になる。授業が始まるのは翌日からだ。
ホームルームを終えた私と心晴はなっちゃんのクラスが終わるまで待ってから、三人連れだって帰路につく。4組の委員決めは難航しているみたいで、時間がかかった。
「私、普段の行いが良いからねぇ」
なんて、言いながら、私の横を歩く心晴。
「私、生活指導になっちゃったよ~、遅刻の注意とか……無理じゃない? 私が遅刻魔なのに!」
同じく私の横を歩くなっちゃんは肩を落としている。
「だから逆にいいんじゃない? これを機に早起き出来るように頑張りなよ」
「そんなに簡単に言わないでよ心晴」
少しスキップするように歩いていく心晴は見事、くじ引きを切り抜け、自由の身になっていた。ちょっとだけ羨ましい――心晴はどんな委員だって上手くこなせると思うけれど、そういう心晴に限って面倒な委員にはならないのだ。
神様、少し意地悪ではないでしょうか?
「私も学級委員頑張るよ」
なっちゃんと同じように、私も少し肩を落としながらそうつぶやいた。学級委員だなんて、本当に柄じゃない。
「あはは、なぎさ、そういうの向かないよねぇ、どっちかっていうと、心晴?」
「私もそう思うよ~」
「私、学級委員なんて向かないよ。でも、もう一人が有田君じゃん? 有田君、なかなか良いよね、めっちゃ爽やか君」
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