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休日の夕方は車通りも多く、道は混んでいる。冬になればイルミネーションで彩られるこの道を、タクシーは躓きながら進んだ。
開場まであと数分、恐らく到着までもあと数分。
もしも彼に会ったら、何て言おう。
久しぶり、元気だった? 今はどうしてるの?
聞きたいことがたくさんある。
そして――聞きたくないこともある。私が知っている彼の話はそう……
「久しぶりー!!!」
タクシーを降りた私に飛びついてきた、懐かしい親友――
「久しぶり!」
一段と綺麗になった親友の姿に、私は懐かしさが込み上げて、なんとも言えない気持ちになってくる。
私たちは近況報告をしながら連れだって会場に向かった。
ねぇ、話したいことがたくさんあるよ、聞きたいこともたくさんあるよ――
そして、聞けないこともある。
ねぇ、心晴、どうして――?
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