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さて、謹んで開けましょう――
「せーの!」
みんなでひいたおみくじをぱっと開いて見る。私は――
「やった! 吉 これって良い方だよね!」
喜ぶ心晴。
「あー俺凶だー! まじかぁ」
嘆く健ちゃん。
「俺も吉、なんか中途半端だな」
通常運転の燈也君。
「燈也、私と一緒!」
心晴、ますます嬉しそう。
「私も凶だ……引きなおそっかなぁ」
あはは、なっちゃんらしい。
「おいおい奈緒、おみくじってそう言うもんじゃないだろー」
「なぎさは?」
吉を引いた心晴が私のおみくじを覗き込んでくる。
「ん? ――たいら?」
「そう、平。これって、いいの? 悪いの? 初めて見たー」
「いいんじゃない? 穏やかそうじゃん、なぎさっぽい」
なんだか微妙な結果だ。誰が一番いいのか判断が付かないので、奢る話はななくなってしまって、神社を出ると各々買ったあげもみじを頬張りながら散策をする。
あげももみじというのは棒を刺したもみじ饅頭に衣をつけて、言葉通り揚げたお菓子。これ、とっても美味しいの!
「俺初めて食べたかも」
「まじか、前からあったろ」
「やっぱりクリームが一番美味しい~」
「えーこしあんだよ、ねぇなぎさ」
「私は断然チョコレート!」
「出た! お子様!」
「お子様じゃない! チョココロネみたいで美味しいじゃん!」
チョココロネ、大好き。クロワッサンはもっと好き。こうやってわいわいみんなで食べるおやつは、もっともっと大好き!
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