落日 弐

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 目をつむると、心臓の音がうるさいくらいに響いているように聞こえる。  どきどきしながら目をつむっていると、燈也君が、私の左肩に手を置いた。 そのあとに――  おでこに、温かくて、柔らかいものが触れる。 「もういいよ、目ぇ、開けろ」  燈也君に言われて、目を開けたけれど、何が起こったのかを、認識した私は真っ赤になっていたと思う。  だって、顔が熱くて仕方なかったから。  そして、燈也君も、目を反らせて、少し赤くなっていた気がする。でも、目元はなんたか、嬉しそう……  ねぇ、私、勘違いしてるのかな? 額に触れた唇の意味は、なに?  なんの魔法? ねぇ、燈也君、お願い、何でもないって言って──
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