光華 壱

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 あの日、心晴はものすごいピッチでお酒をあおっていた。  私自身は心晴と飲むのは初めてで、お酒には割と強そうだなぁというイメージは持っていたけれど、まさかあんなに飲むとは思わなかった。  ひとしきりお酒が進んで、心晴の目がちょっと据わってきたころ、心晴は話し始めたのポロポロと話し始めた。 「ねぇなぎさ、私、あなたに謝らなきゃいけないことがあるの」  そういって、私ではなく空になったグラスをじっと見つめながら、まるで独り言を言う様に心晴はゆっくりと言葉をつむいだ。 「私、燈也に嘘をついたの」 「嘘……?」  私が聞き返すと、心晴はわっと泣き出した。心晴は泣いて泣いて――でも私は、その華奢な背中をさすることしかできなくて……  ようやく息が整った心晴は、再び話し始めた。
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