月華 参

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 心晴とのわだかまりが解けた私は、寝不足だというのに、心はすっきりとしていた。 一方の心晴は―― 「ひどい顔だね、心晴」  泣き張らした心晴の顔はそれはそれはぱんぱんで、思わず笑ってしまう。 「ちょっと、笑うことないでしょ」  なんて、怒る心晴。こういうやり取りが出来るようになるなんて、嬉しくてたまらない。 「待ってて、ホットタオル持ってきてあげるよ~」  私が持ってきたホットタオルを受け取って顔に当てる心晴。 「ねぇ、なぎさ……」 と何かを言いかけた心晴は―― 「ごめん、なんでもない。泊めてくれてありがとう」  なんて、歯切れの悪い物の言い方をする。  まだ何かを言いたそうな顔をしているけれど、今は話すつもりがないみたい。  大丈夫、私は待つよ、心晴。

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