月光 壱

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 高校一年生の春――  私はどきどきしながら新しい学校の門をくぐった。  黒のブレザーに臙脂(えんじ)色のネクタイ――そんなオシャレなデザインのここの制服が着たくて、中学時代からの友達二人と一生懸命勉強して合格した高校。  三人、みんなで一緒に合格して、喜び合ったのがつい最近のできごと。  高校生になった私は、ちょっと背伸びをしてうすーくお化粧なんかして、周りの高校生に負けないよう、精いっぱいの背伸びをして登校した。  はらはらと散る桜の花びらが、私の心を一層ときめかせるのだ。ほんの少しの不安と、胸いっぱいの希望を抱えて、私はこれから一緒に過ごす一年生のみんなの波に紛れていく。
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