第三話 ☆彡・星降る河を渡る舟・☆

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 龍興と薫子が幸せに浸っている頃、小豆島の別邸のテラスでは、傷心の恭一郎を慰める篤志の姿があった。  高嶋公明の事業は、展開中のレストランに起った食中毒事件を機に下降線を辿り、よくよく調べればかつて奈良で黒津の姐に関わったばかりに自滅した、はぐれ忍の子孫たちが絡む乗っ取り屋に襲われていると判明。  「泣きっ面に蜂だ」  呆れて言葉も無い篤志に代わって、恭一郎がはぐれ忍の末裔を始末した。  「兄さん、何と言って良いのか分からないが、あの女ばかりがじゃじゃ馬じゃないさ」  篤志も、自分が妙な慰めを口にしているとは、十分に解っている。  だが適当な言葉が見つからない。  「・…やっぱりあの女は…・・」  言葉に詰まった篤志。  「アレは鬼門だ、篤志」  恭一郎が後を受けて、断言した。  「仕方が無い。跡取りの妻には、あの女の産んだ娘の“百合”を狙おう」  恭一郎と篤志は溜息をつくと、遠大な計画について話し合い始めた。                              第三話・取り敢えずの完・
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