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寮の前まで帰って来ると、玄関を箒で掃いてる人が見えた。
「おっはよー!柚希(ゆずき)ちゃん!」
「はい、おはようございま…
あれ?七瀬(ななせ)くん、今日は早いんですね」
俺の寝坊は保健医兼寮の管理人の柚希ちゃんには、よーく知られている。
まあ、他の奴達にもバレバレなんだけど。
だって俺ってば、一年の時寝ぼけて屋上から落ちかけたんだぜ?
たまたまいた奴に助けられたけど、もういい笑いもんでさ。
「早い理由は入学式だからですか?」
「やっべえー!忘れてた!」
そうだ、今日は入学式だっけ。
俺は今日から二年生になるのか。
「柚希ちゃん!俺行くわ!!」
「はい、気分が悪くなったらいつでも私の所に来て下さいね」
「分かってるって またな!」
慌てて俺はシャワー室で汗を流すと、自室に向かった。
「イチ、良かった、今迎えに行こうとしてたんだよ」
「わりぃ、まこっちゃん!
言ってくれればもっと早く――」
「あ、やっぱり。
今日入学式って忘れてたんだ?」
「う…っぐ
い、いいだろ!?ちゃんと手伝う約束思い出して、戻って来たんだぜ?」
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