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「ううー、タカッシー先輩カッチョいい。"金太マン"みたいだ」
その様子をユッキーナが羨望の眼差しで見つめている。その手に握るのは超合金のオモチャ、タヌキがモチーフになっているらしい。
「その台詞、しびれんな。ちゃんと俺の凄さ、見とけよ」
それを聞き入りエクスタシーの表情を見せるタカッシー。
「そうさ俺はルーキーズの一員。そしていつかはこの学園を支配するんだ。こんな雑魚にいつまでもかまってられねーな」
ゆらゆらと頭を揺らし、おいらを見つめる。
「……許してくれるの?」
おいらは言った。だけどタカッシーはその拘束を解く気配はない。それどころかその瞳に浮かぶのは狂気。
「もちろん許してやるさ。……この一発でな!」
どうやら殴って終わりにする気だ。おいらは身体も小さくて、いつでもなめられる。いつものことだと言えばそれまでだけど、やっぱり殴られるのは嫌だ。殺されるのはもっと嫌だ。眼から涙が溢れて瞼を閉じた。
「誰が金太マンだって?」
その時、別の誰かが言った。
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