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嘘だろって思う出来事があった。 「こんにちは。久しぶりです。覚えてる?」 座っているボクは、本を読むのをやめて顔をあげた。 そこにはどこかで見たことのある女の子が立っていた。 「・・・。」 思い出すのが精一杯で、誰かまでは思い出せなかった。 少し茶色がかったストレートの髪に大きな目、キレイな顔立ちだと思った。 「もしかして、覚えていなかったりするのかな。ちょっとショックだな。」 「その声、美月か。えっと、えっ!?嘘だろ。」 駅のロビーで大声を上げたため、こちらに他の人の目線が向いた。 「そこまで驚かなくても、面影が残ってないっていうのかな。」 「だって、お前なぁ~。いきなり、久しぶりっていわれても・・・。」 「あまりに変わり過ぎていたからかな。」 「そうだね。変わったからね。よーちゃんは変わらないね。」 「その呼び方やめろって。」 「あはは。びっくりしたり、怒ったり大変だね。」 「なんか負けた気がする。」 「口癖も変わってないね。」 「あのなぁ~。」 「あっ、電車来たみたい。よーちゃん、フェイスブックやってたりする?」 「やっているよ。」 「名前そのままだよね~。検索して友達申請しとくね~よろしく。」 「あぁ、わかったよ。」 「じゃあね。」と告げて、美月は電車の方へ走っていった。 突然の嵐がやってきて去って行ったような気がしていた。 スマホが、バイブしてお知らせを伝えてきた。 Facebook 友達申請が1件ありました。申請を受け入れて、友達になった。 そこには、現在の美月の写真が何枚も写っていた。 明らかに中学生時代とは違う写真。 誰かわからなかったのを誰かと共感したいとさえ思った。 彼女は、ものすごくスレンダーになってかわいらしくなっていたからだ。 中学生の時には、クラスで一番体重が重いのではないかと噂になるほどの巨漢だったからだ。 何が起こったかはわからないけど、これが現実だということを受け入れることにした。 メッセンジャーから「ありがと-。よろしくね。」と言葉が届いた。 突然の嵐は、まだ去っていないようだった。台風がやってきたときに、学校が休みになるのかどうかで、心がウキウキした気持ちを思いだしていた。
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