通学ベクトル

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いつものように私は何気なくスマホを開いた。「愛莉、今どこにいるの?」と母親からLINEが2日前に届いていたが無心のままLINEを閉じた。 私の乗っているバスが間もなく学校に到着しようとしている。このバスに乗っている生徒たちは学校に到着するとバスを降り、車の排気ガスに紛れた正門を潜(くぐ)り、今日も退屈に塗(まみ)れた空虚な建物に吸い込まれていくのだろう。
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