26人が本棚に入れています
本棚に追加
【15】 竜虎の戦い
「倫太。これからは松倉先生と二人で、たくさんの新しいことを見つけていくのよ」
「んー? さっきから何言ってんだよ花梨。てか何で義政と、なワケ? 花梨はどーすんの?」
鷹見君は、腕の下でフガフガと言う佐々から離れると、出会ってから初めて見せる屈託ない笑顔を浮かべた。
「私? 私はここぞとばかりに想い人への猛烈アタックを開始するわよ」
一瞬だけ、水を打ったような静けさがあった。
「想い人!!?? 何だよソレっ! ってゆーか誰だよソイツっ!!」
ちょっとした怪獣でも降ってきたのかと思う勢いで佐々がまくし立てる。
「元城南小学校六年一組、峰岸公平君。
今日も会う約束をしてるの。倫太は同じクラスだったけど、覚えてない?」
「あ。それなら覚えてる。眼鏡で、頭良くって、すげぇイイヤツ…って、俺、花梨に好きなヤツ居るなんて知らなかったぞっ!」
「こうやって倫太が騒ぐことくらい簡単に見通せるのに、わざわざ言うわけないでしょう」
「ダメダメダメっ! ぜってーーーーーーーーーーっダメっ!」
最初のコメントを投稿しよう!