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やわらかな陽光がきらめく中庭で、見目麗しい少年や青年が談笑している。いずれも彫刻や絵画から抜け出たような美貌を有し、上品なしぐさで草の上に座ったり、大きな噴水のふちに膝をつけてしぶきと遊んだり、ピクニック気分でバスケットに入ったクッキーや果物を、おいしそうにかじったりしていた。
そんな仲間たちを、冷ややかな表情でながめている青年がいる。
透けるような白い肌は血色がよく、唇はさくらんぼの果実のごとく赤く艶めいている。スッと通ったちいさな鼻。アーモンド形の黒目がちな瞳。それらがおさまる卵型のあごの細い輪郭から、細く長く伸びた首に漆黒の髪が流れている。きゃしゃと言える肩にたっぷりとかかる髪は、カラスの濡れ羽よりもなお黒くうつくしく、けれど絹の薄衣に似た軽やかさを持っていた。
三枝美月。
彼はこの『天使の館』で一番の美貌をほこる希少種オメガだった。十二のころに美貌を認められ、この館へと連れてこられてから八年間、ずっとここで暮らしている。
ほう、と退屈な息が美月の唇からこぼれ落ちた。
美月は庭木の根元に腰かけて、ぼんやりと遊ぶ天使たち――男性でありながら妊娠可能なオメガたちをながめている。
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