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ドアを開けると優美なデザインの衝立があり、室内がのぞけないようになっている。それを過ぎると彼好みの、ここで使用するのに便利な調度が並んでいた。
壁に押しつけられた大きなベッドの上で、うつくしいオメガたちが肌の透ける薄絹を身にまとい、淫らに絡み合っている。心中で眉をひそめた美月に、財前は「さあ」とうながした。
彼等のなかに混ざれと言っているのだ。
気づかれないよう吐息をこぼして、美月はベッドに近寄った。財前はゆったりとソファに腰かけ、使用人の用意したワインを受け取り鋭い瞳でほほえんでいる。
ベッドの端で服を脱いだ美月に、たわむれていたオメガたちが手を伸ばす。どの顔も快楽に弛緩していた。それを醜いともうつくしいとも感じつつ、裸身の美月はベッドに上がった。
「あっ」
肩を掴まれ、財前によく見えるよう壁に押しつけられる。足を広げられ、首筋に唇を押しつけられた。オメガたちは舌を伸ばして指を滑らせ、なめらかな美月の肌に官能を植えつけていく。
「は……あっ、あ、んっ」
オメガはオメガ同士で愛しあう。それはこの館では、じゃれ合いの遊びとして推奨されていた。オメガたちはアルファをよろこばせる技を、オメガ同時の遊びのなかで覚えていく。
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