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 今日は砂生の十八回目の誕生日だ。それを祝う提案をした。その日である今日は元から一緒に過ごすつもりだった。  最初から砂生のしたいことに付き添う気でいたのに。  その肝心の砂生は、僕の提案に、『何でもいい』と答えた。  僕はちょっと憤慨する。  ―何でもいいわけがないだろう。君は言わないだけで。本当は、何でもいいわけじゃない。  僕はちゃんと知っている。  ケーキのことだってそうだ。砂生は僕が誕生日に用意すればケーキを食べてくれる。でも実のところショートケーキの苺が好きではない。そう口に出したことはないが、チョコレートケーキもそんなに好きそうには見えない。  これはどちらも僕が砂生を観察していて気づいたことだ。  だから本日の祝いのケーキはフルーツが盛ったケーキにした。せっかく食べてもらうのだから、おいしそうに食べている姿が見たい。  たとえ砂生の好みじゃないものを僕が与えたとしても、砂生は嬉しそうな顔を崩さない。わからないようにうまく誤魔化してしまう。そして昨夜のようにまるで僕を試すかのような、あんな言葉を刷り込むように繰り返すのだ。
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