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馬鹿げた話かもしれないが。
たとえばもし、今僕が突然砂生の前からいなくなるようなことがあれば。それが他者の手によるものだとするならば。その後の砂生の行動は、容易に想像がついてしまう。加害者とその親族、関係者をすべて抹殺して根絶やしにしてもきっと、砂生の気は収まらない。
普段は誰に対しても穏やかなのに、そういう部分が砂生にはある。
そんな砂生のことが心配で、でもそういう事態にはならないだろうと確信もある。
―まあ、僕が。そんなことにはさせないけれど。
だからこそ、砂生の傍にいてやろうと、僕はつねにそこにいる。
つまりは自分がそこにいたいだけ。
砂生に対する扱いが多少雑になってしまうのは、僕の砂生への想いが薄いから、では決してない。
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