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「いい子にしていたか?」  砂生に問いかけると、少し唇を尖らせて、わかりやすく拗ねた様子を見せてきた。 「起きたら小守くんがいないから、驚いたんだけど。……一人でお出かけ?」 「なんだ。誰かと出かけて良かったのか?」 「滅相もない。そうじゃなくて。けど、起こしてくれたら一緒についていくのに」 「ついてこなくていい。必要ない。……というよりも、来てしまったらプレゼントの意味がないだろう。ほら」  僕は少し視線を外して、手に持っていたケーキの箱を掲げて見せた。  砂生が息を飲んだのがわかる。そんな様子が気配で伝わってくる。  その空気が照れくさくて僕の態度は素っ気なくなる。 「ご褒美だ」  そんな風に言ってしまう。  砂生のほうをうかがい見た。すると、砂生はキラキラと瞳を輝かせて僕を見ていた。  わかりやすく喜んでいる。そんな姿に僕の胸が一瞬、きゅんとする。
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