2人が本棚に入れています
本棚に追加
カーテンが閉めてある室内は暗く、気のせいか空気が重かった。
照明をつけてから、部屋全体を見渡した。
特に異常はなく、噂の陰気な臭いもなかった。
「ね。やっぱり、ただの噂なのよ」
バスルームに入ると、清掃員の忘れ物だろう、一枚のタオルが残っていた。
「しょうがないわね……。あの新入りかな……?」
湿ったタオルを拾ってから、タブレットに『不備』のチェックを入れた。
バスルームから出て他の箇所も確認し、部屋を出ようとした時、ふと、
「そうだ、思い出した……噂によると、夕方以降、一度出た者が、もう一度入ると、ヤバイ事が起きる――とか……」
最初のコメントを投稿しよう!