たとえばそれがぼくらだということだ

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「キミは、、、いつのまにかぼくを超えましたね」 サカツキが笑う。 「そんなことないよ」 「でもなぜか、それがここちいいんです。キミに引かれていくことが、ぼく、なぜか嬉しくて。ずるくなったんでしょうか」 「それはずるいですね~」 「一緒に、行きましょ。ふたりで。」 「ええ、そうですねえ、どこまで行くのかわかりませんけど」 「サカツキさんの願いは、」 「はい?」 「思いおこせば今日は七夕」 「ああ、忘れてました。七夕ですか今日は」 「短冊ないから、俺の記憶短冊に」 「心もとないですねえ」 「失礼な」 「冗談です。そうですねえ、、」 サカツキにしては、しばらく考えた。 が、出てきた答えは、 「明日、晴れますように」 「は?なんですか、それ」 「それしか思いつかないんです。まじめに」 「サカツキさんらしいけどね」 「キミの願いは」 「うーん、サカツキさんがキスしてくれますように」 「してるじゃないですか」 「、、それしかおもいつかなかった、、」 「欲がないですねえ」 「ま、お互いに」 「じゃ願い叶えましょうか」 サカツキはユウナギの頬に軽くキスをする。 「織姫と彦星は律儀ですねえ。ルールを守って一年に一回しか会わないなんて」 「そりゃサカツキさんみたいにポンポン破れませんて」 「ぼく破ってますか?」     
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