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俺は…もう待てない。
どこからか帰ってきた彼の顔は酷く疲れていた。
そしてとても弱々しくて、これ以上見ていられない。
絶対に何かあっただろう、そう思えるほど今の彼は弱くて頼りなかった。
いつもの演技や大袈裟な言動や大きな声は影に隠れている。
そんな目で見られたら助けたくなる。
けれど彼は助けなんて求めてくれない。
それでも、弱った今のアイツの姿を見て我慢が出来なくなった。
だから聞いてしまった。
彼の演技はもうズタズタで、笑顔もうまく取り繕ってはいるが…いつものあのなんとも言えない、元気さも隠れてしまっている。
そこに気を回すほど余裕がないのだろう。
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