守りたい―彼の心はそれを否定する #山河side

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待っているつもりだった…けれどもう無理だ。 俺は無理矢理にでもお前を助ける。 お前が背負っているものを俺が半分でも背負ってやりたい。 軽々しく口に出来ないような、そんな重たい物をお前は背負っているのだろう。 少しでも軽くしてあげたいと思うのは彼だから。 優しく綺麗で儚い…彼女に似た彼だから。 そっと彼の頬を撫でると悲しそうに、そして一瞬遠い目をした後、何かを決意したように見えた。 その目は強く意思の籠った目であり、続けて俺を真っ直ぐ見据えた。 そして彼は苦しそうに俺を拒否した。 最後にかけた言葉は彼に届いただろうか? たった一言。けれど俺の思いを籠めた一言。 彼は踏み込まれたくないらしい。 だが、彼は待っていると言った。小さく頷いてくれた。 君の心の光になれるのならば俺はいつまでも待とう。お前のために… いつか本当の笑顔を見たいと思うから。 俺の言葉なんて彼にとっては面倒なものだろう。 けれど深く関わりたいと思った。
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