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待っているつもりだった…けれどもう無理だ。
俺は無理矢理にでもお前を助ける。
お前が背負っているものを俺が半分でも背負ってやりたい。
軽々しく口に出来ないような、そんな重たい物をお前は背負っているのだろう。
少しでも軽くしてあげたいと思うのは彼だから。
優しく綺麗で儚い…彼女に似た彼だから。
そっと彼の頬を撫でると悲しそうに、そして一瞬遠い目をした後、何かを決意したように見えた。
その目は強く意思の籠った目であり、続けて俺を真っ直ぐ見据えた。
そして彼は苦しそうに俺を拒否した。
最後にかけた言葉は彼に届いただろうか?
たった一言。けれど俺の思いを籠めた一言。
彼は踏み込まれたくないらしい。
だが、彼は待っていると言った。小さく頷いてくれた。
君の心の光になれるのならば俺はいつまでも待とう。お前のために…
いつか本当の笑顔を見たいと思うから。
俺の言葉なんて彼にとっては面倒なものだろう。
けれど深く関わりたいと思った。
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