守りたい―彼の心はそれを否定する #山河side

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無理矢理にでも彼の本心を、背負っていることを聞き出したい。 だが彼は絶対に言わないだろう。 それだけはわかる。 だから待つしかない。 少しでも彼の助けになりたいと思うから… 彼が部屋に戻った後、小さく心のなかで呟いた。 ――俺も面倒な奴を愛してしまったな。 けれどその声に後悔など微塵もなく、それは部屋に戻った強がりで、優しい彼を愛しく想うものだった。 これは彼女を救えなかった俺が唯一できること。 彼女と彼を重ねてしまったから。 彼女は唯一の理解者であった。 彼はなにも知らない。それはとても自分勝手な贖罪であった。 彼にとっては押し付けでしかないことはわかっている。 けれども、それだけじゃなくて彼を本当に救いたい…そう確かに思っている。
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