【ノア】

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 だが、その時はいくら待ってもこなかった。  余震が何度も何度も起こるが、ここにはなんの情報もない。  その事が不安を煽る。  だが、それでも人間は腹も減るし、排泄もしたくなる。  このシェルター内は6畳程の広さに、ベッドと冷蔵庫、それにシャワールームやトイレも設置されていた。  食料も備蓄庫に沢山用意されていた。  賞味期限はどれも遠いもので、両親が常にここを気にかけていたことがわかる。  空調も管理されているらしく、多分快適な空間なのだろう。  とりあえず、冷蔵庫のヨーグルトと水を飲み、気持ちを落ち着かせる努力をする。  どのくらいの時が経っただろうか。  と、突然短い電子音が響き、何も無い壁に長方形の光が発せられ、自動ドアが開くようにスライドした。  俺は驚き、そこから1番距離のある壁へと背中をつけへたりこみ、そこを見据えた。 「“イノウエカズキ”様。ですね?」  人だと思ったそれは、アンドロイドだった。  近年、一般家庭にもお掃除アンドロイドは普及しているが、これほど人に近いものは初めて見た。 「そう……だけど。一体何がどうなってるんだ」     
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