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今年は早めの梅雨入りらしく、まだ五月中旬というのに土砂降りが続いている。
鏡には自分の顔が映る。
「たらこ唇と一重まぶた、それでも僕は生きてます。」
と言ってみても、何も変わらずただ俺の寝ぼけた顔を鏡が映すだけで。
チェックのシャツを羽織って、いつもの眼鏡つけて、朝飯は適当に済ませて家を出た。
傘なんて面倒くさいものを持って。
「何なんだよ、ほんとお前は。」
でも、雨っていいかもしれない。こうやって、頬につたった液体も洗い流せるじゃないか。
「今日も雨、だな。よっさん。」
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