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最初は信じられなかった。信じたくなかった。
よっさんが居なくなった。死んだとか重い病気とか、そんなんじゃなく、居なくなった。
まだこの世界の何処かにいる。そんな希望があるから余計に辛い。あいつなら勝手に海外でも何処でも行くだろうが、連絡が取れないとなるとまたはなしは別なわけで。
コンビの仕事はお休みさせてもらっている。でもやっぱり漫才が恋しくなって、劇場まで足を運んでしまう。不思議なもんだ。相方は居ないのに、まるで仕事をするかのような面持ちで仕事場に向かうなんて。劇場で福田に会った。
「房野さん、なんでいるんすか。」
「暇だったから見にきてやった。」
「何か房野さんの上から目線てムカつきますね(笑)」
「おいどういう意味じゃそれ。」
いつものような会話が続いた。
「恵悟~!そろそろ出番~!」
伊藤の声か。
「あーはいはーい。」
「じゃ。房野さん、また。」
「おう、じゃな。」
相方が居るのっていいな。特によっさんはくっついてくるっていうか、ボケ散らかす奴だったから、居なくなると相当なダメージ食らう。
ライブ楽しかった~。やっぱり大喜利っていいものね。
でも、まだ外は雨。あとどれだけの雨が待っているんだろう。
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