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「何だよ…こんな時に…」
「池谷さん、俺も同じなんです。」
「同じじゃねぇよ!お前は友達、俺は相方なの!二十年間もずっと一緒にやってきたのに…!」
テレビで見た慌てている池谷さんとはもはや違う人物だった。目の輝きなんてどこにもなかった。でも、何処かまだ余裕があった。何故か。そう考えている先で、物音がした。隣の部屋からだ。
「娘さんですか。」
「…えまと嫁は出掛けている…」
「じゃあ…」
「…開けんな。開けんじゃねぇ。開けたら殴る。」
いつも優しい池谷さんから発されているとは思えない言葉。
開けたい。殴られてもいい。それ以上に、気になるんだ。もしかしたらなんて思って。
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