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気づけば、家の布団の上だった。
何だ夢か。いや、夢じゃない。こんな鮮明な夢なんて、夢じゃない。思い出せば吐き気がする。おまけに、外は雨だ。
あれ以来、池谷さんに会っていない。なんかもうそんなことすらどうでもいいというか、だるい。それではダメだと思って、特に理由もなしに雨の中を走ってみる事にした。傘もささずに。
夢中で走った。あの日を忘れるため、あの人を忘れるため。髪も服もビショビショで、とにかく寒いけど、走るしかなかった。追われているわけでもない。追っているわけでもない。ただ、ただ走ったら、何か変わる気がした。
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