邪悪さん。

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下校する生徒らの中に淳太と琉生の影。 教員の目の届かぬ範囲に出ると、 二人は揃ってスマートフォンを取り出した。 「なあ淳太、おもしれーTubyaiterアカウント見つけたんだけど。」 「え?なになに?どんなの?」 「これ。」 そう言って、琉生は淳太にスマートフォンの画面を見せる。 淳太は画面に映るアカウント名を読み上げた。 「『邪悪』……?」 淳太はさらにそのアカウントのプロフィールを読んでいく。 『邪悪です。本名です。 フォローはおすすめしません。 てか、しないで。 ……ただし、生死を厭わぬのなら……。』 「あー、この人、中二病真っ盛りだな。」 淳太は呆れたような声で琉生に言った。 「でも、それだけじゃないんだよな……。 見てみろよ。」 そう言って、琉生は画面内の数字を指差す。 「お、フォロー数結構いるな。9998人……もうすぐ1万人じゃん。」 「結構フォロワー多いよな?でも……」 琉生はそう言いながら横の数字を指差す。 0。 「この人、これだけフォローしてるけど、フォロワーが一人もいないんだよ。」
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