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アコはもう涙を流していなかった。
その表情は決意に満ちたようでありながら、
無機質だった。
「好きでもない人をフォローするだけの
簡単な仕事でしょ。」
そう呟きながらアコは無造作にスマートフォンのタップを始める。
15000、20000、25000……
みるみるうちにフォロー数が増えていく。
85000、90000、95000……
スマートフォンで事故現場を撮影していた野次馬の何人かが
貧血でも起こしたのか、パタパタと倒れていく。
120000、150000、180000……
アコは冷酷とも無表情と持つかない顔で言った。
「そんなの、造作もないわ。」
<了>
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