317人が本棚に入れています
本棚に追加
ブー、ブー。
突然、スマホが震えた。
画面を見ると和真からのLINEで、
何時に帰ってくるのかという内容だ。
「もしかして和真さんから?
返事しなくて大丈夫ですか?」
那月ちゃんの言葉に、ふと思考が止まる。
後ろめたいことは何もしていないので、
正直に現状を伝えたいけど。
俊くんに加え滝口主任と一緒だなんて、
…最強すぎる。
那月ちゃんもいるとは言え
和真はどう思うだろうか?
しかも帰宅時間が何時かなんて、
私の方が教えて欲しいくらいだ。
などと心の中でボヤきつつも、
返信文を考える。
>滝口主任、泥酔中。
>新住所不明のため俊くん宅にて
>目覚めを待っています。
>当方、那月ちゃんもおり、心配ご無用。
>以上の事情により、帰宅時間不明。
「送信っと」
声に出しながら作成したので、
那月ちゃんがそれを聞いて笑っている。
「よく考えたら、スゴイ状況ですよね。
元カレで同棲までしていた滝口主任と、
佳乃さんにベタ惚れな俊くんが一緒って」
うわああッ。
…思わず固まってしまう私と俊くん。
言った那月ちゃん本人は、
コトの重大性に気付いていない。
俊くんが私を好きなことは、
彼自身、バレていないと思っているし
私も知らないことにしているのに。
そして俊くんがゆっくりと口を開いた。
「え、ええっと…、か、佳乃ちゃん??」
「な、何?」
最初のコメントを投稿しよう!