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「那月ちゃんってコ、
よく佳乃ちゃんの話に登場するだろ?
だからすごく興味あってさ。
前々から会ってみたいと思ってたんだ」
ああ、そういうことかと。
俊くんもそろそろ真剣に
相手を見つけようとしていて、
出会いのチャンスを探しているのだと。
…そう思って快諾する。
翌晩、私たちは会社近くの居酒屋で会い、
とても盛り上がった。
那月ちゃんは俊くんを非常に気に入り、
連絡先なんかも交換して、
これからも定期的に飲み会を開こうと。
「じゃあ、後はお若い2人で」
冗談っぽく私がそう言うと、
俊くんが激しくそれに抵抗する。
「いや、まだ二人きりは早いよ。
佳乃ちゃん、もうちょっとクッション役
として頑張って欲しいなあ」
「でも、那月ちゃんは…」
『私もそれでお願いします』と言われ、
仕方なく定期的に3人で飲み続けた。
それは2週間に1回だったり、
週に2回だったり。
もうそろそろ私は不用だろうと思ったが、
俊くんがどうしても許してくれない。
段々、おかしいと思い始めていて。
そんなある日、
那月ちゃんに言われるのだ。
「どう考えても俊くんって
佳乃さんのことが好きですよね?
なんかこのままじゃマズイかも」
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