一本道、足りない、寝坊

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心拍数が高まり、息が苦しくなって、腹痛まで発生したところで一度立ち止まる。 辺りは真っ赤な太陽に染まり、時折風が吹いて道端の草木を揺らす、右側には森がすぐ迫っていて、何かの視線を感じさせる。 いつもは車だからたまに歩いて道を行くと、なんともいえない恐怖がぞわりぞわりと足元からはい上がってくる気がした。 ジャリ。 土の道を踏みしめて、ゆっくり一歩ずつ進む。 あ、そういえば。 携帯を開いて、メッセージを友達に送る。 もうすでにさっき別れたサオリは家についたらしい、帰宅っという文字とスタンプが送られてきてた。 「私もあと数分でつくはずっ」 文字を打ちながら言いつつ送信して、携帯から顔を上げる。 数メートル先に私の通う学校の制服を来た女の子が立っているのが見えた。 誰だろう?と思いながら、歩みを止めず、次第に近づいていく。
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