ふたりセリフ(あるいは、18禁への果敢なる挑戦)

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 けれど、間髪入れず言ったことによって、唐突感が増してしまった。  佐原は、きょとんと多加木を見る。 「これは──俺のセリフだろ」  すると、佐原はやたらうれしそうにニコニコしながら。  もぞもぞと多加木の胸もとに顔を寄せ、言った。 「わたしの、セリフでもあるよ」 「そっか」  佐原の頭をなでてみる。  ごろごろと頬をゆるませる彼女を、多加木はしっかり抱き寄せた。 「奇遇だな」
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