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いっしょに、という言葉を告げようとする。
だが。
「す、すまん、ダメだ、もうっ──」
「ふぇ?」
「出そう、出る──出るっ!」
多加木の腰が跳ねた。
「ひゃっ! あっ、ああああああああっ!」
──どくんっ、どぷっどぷぷぷっ。
「ああああっ、きてる、出てるよぉ、たっくんの……」
「うあ──」
佐原の腰をつかみ、痙攣する腰を何度も打ちつけていた。
出る。出る。止まらない。
終わりなどないかのように、いつまでも吐き出しつづける。
あとに、なにも残らないのではないかと錯覚するほど長い射精のすえ。
ようやく静まり、多加木はそのまま後ろに倒れこんだ。
「佐原、ごめ──」
強い虚脱感・倦怠感、そして無力感に襲われ。
なんとか謝罪の言葉を口にしかけた多加木の上で。
佐原が、はげしく腰を振り始めた。
「ふあっ、ん、あっ、ひぁあっ、ふ、んぅ、ぉっ」
多加木の胸板に両手を乗せて。
上下ではなく、前後に。
自身の気持ちいいところを探り、押しつけるようにして。
全身から汗を散らしながら。髪を振り乱しながら。
佐原は、多加木を使って絶頂に向かおうとしていた。
(そばにいるのに、彼女に自慰させてしまっているみたいだ)
「いっしょだ、佐原」
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