ふたりセリフ(あるいは、18禁への果敢なる挑戦)

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 さっき告げられなかった言葉を、遅れて届ける。  多加木は自身の肉体に鞭打つと、腰を跳ね上げた。 「んああああああああああああっ!」  ひときわ高い声を、佐原が発した。 「たっくんっ、たっくんっ!」 「ああ、ここにいるっ」 「わたし──イクっ、イッちゃうぅ!」  動きが止まり、その臀部が、全重量を乗せて、多加木の下腹部に食いこんだ。 「──くは……っ、あっ、くぁぁぁうっ」  痙攣、そして。 「んあっ、ぁああああああああああああっ!」  彼女の爪が、多加木の乳首をかすめた。  多加木は身を持ち上げ、浮いて行ってしまいそうな彼女のカラダを抱きしめた。  彼女の肩越し──窓の向こうに満月が見えた。 「あっ──はぁっ──」  ぐったりとし吐息をもらした彼女を支え、そのまま、ゆっくり横になる。  ぬるっと、ふたりをつないでいたものが抜けた。  荒く息をしながら、しばらくおたがいの顔を見つめる。 「すごい音」  やがて佐原が言った。 「心臓、どくどく言ってるよ」 「そうかも」 「感じる。疲れたんでしょ」 「疲れた」 「前より動いたし、時間も長かったもんね」 「終わらせたくなかった」 「あ、うれしい」 「好きだ」  なにげないタイミングを狙おうとした。     
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