ふたりセリフ(あるいは、18禁への果敢なる挑戦)

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「む……変な味がする」 「ほら……その指、さっきまで触ってたから」 「ナニを?」 「…………」 「だれの、どこを?」 「そういうの、男のセリフだと思うんだよ」 「ふふん、関係ないもん」  彼女は舌を伸ばし、見せつけるようにゆっくりと、指の根元から先までを舐めあげていった。  赤く濡れた舌。彼女の吐息が指にあたる。  佐原は両手で多加木の手をつかまえている。  自然、多加木の肘は彼女の胸に当たっていた。  標準サイズだが、端正なふくらみ。そのなめらかな感触に、肘が沈む。 「あむ……つぷっ……ず……ぇろっ」  指が、彼女の口に呑みこまれる。頬の内側の肉に挟まれ、埋もれる。  彼女の行為を、呆然と眺めていた。  くすぐったさが快感へと変換され、ぞくぞくと背筋を這いのぼる。  そんな多加木の様子を、佐原は上目遣いで見つめてくる。いたずらっぽく。 「お前……わざと音を立ててるだろ」 「ふぇー? ふぉんはほほふぁいお?」 「このやろ、指を解放しろっ」  手を引くと、彼女の口先から、ぬるっと指が飛び出した。  両者のあいだに長く糸が引いて下向きに弧を描き、自重に耐えきれず、そのままシーツにこぼれ落ちた。 「んもう……」     
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