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やや沈黙。
「てーい!」
不意にこっちを向いた彼女が、多加木に抱きついてきた。
「わっ」
そのまま、いっしょに倒れこむ。
「こいつめっ、こいつめっ」
抱きついたまま、佐原は足をじたばたさせている。
「かわいいヤツだな、このぅ」
「だからそれ、俺のセリフなんだって!」
「ね」
彼女が耳もとでささやいた。
「入れて」
つい身を離し、正面から彼女を見つめる。
「これは、ほら、女の子のセリフでしょ?」
思わず多加木は、彼女の唇に自身の唇を押しつけた。
そのまま、器用に位置を入れ替え、彼女を押し倒す。
「爪のことは気にしなくていいよ」
くすくす笑いながら彼女は言った。
「ほら、見て──もう準備万端だから」
そう言われて。
これまでの反動から、ちょっとした対抗心がわいてきた。
多加木は、彼女の言葉通りに見ようとはせず、自身の股間を彼女の入り口に押し当ててみた。
「ふぁっ!?」
「ホントだ。すごい濡れてる」
「ちょっと、いきなり当ててくるなんて、刺激強すぎるよ!」
「準備のほどを、たしかめてるんだって」
軽く先端をこすらせ、入り口の手前ですべらせる。
「ひああっ、うう、も、もう──」
「なに」
「そこまでするなら、もう入れてよぉ、バカぁ!」
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