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ふたりセリフ(あるいは、18禁への果敢なる挑戦)
「あ」
多加木は、指の腹を彼女の割れ目に押しあてたまま、動きを止めた。
「ん……え? なに? どうしたの」
佐原が目を開け、顔の上に乗せた自身の腕の合間から、彼を見上げる。
「爪切ってくるの、わすれた」
正直に告げると、佐原はしばしポカンとしていたが、やがて苦笑した。
「んもう……ムードないなあ。どれ、見してみ」
一糸まとわぬ上体を起こし、多加木の手をつかむ。
多加木の指先は、彼女の熱で湿っている。
「このくらい、だいじょうぶだよ。女子の爪にくらべたら短小短小」
「そうか?」
「女子の切ってない爪はガチで凶器だかんねー。アレは痛い。えぐれる」
思い出したように、両の太ももをキュッと寄せる。
その拍子に、足首にかろうじて引っかかっていた下着が脱げ落ちた。
「痛いって……え、なに。佐原って、女の子と、そういうことしてるの?」
「うん、しこちゃんと」
「マジか!」
「言っちゃダメだよ」
「いや、言わないけど、ええええ。なんか、とんでもないこと聞いちゃったな」
「たいしたことじゃないよ」
佐原は肩をすくめ、多加木の指を口にふくんだ。
ちゅむ……と粘着質な音がする。
直後、わずかに顔をしかめ、口を離した。
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