凪ぎの朝、その船では…

4/9
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 また音がした。  仕方なく、またドアを開けようとした時、向こうの廊下に少女がいた。  まるでフランス人形のような愛くるしい少女だった。  目と目が合うと、少女は陰に隠れた。 (そっちはトイレだから、外へは行けないハズ……)  沙希は、ドアから離れて、その廊下の方に向った。 「お嬢(じょう)ちゃん、どこから乗ったの?」  すると少女は、ニッコリ笑って、 「お姉ちゃん、助けてあげるわ」 「えっ、どういうこと?」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!