解けるように

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帰り道、少し離れて並んで歩く。 すでに闇に包まれた景色に肌を刺すような空気に心細さを感じて、鼻先までマフラーを巻く。 隣から呼吸をするたび風に流されていく白い息に頬が緩む。 緩んだ頬を隠すようにマフラーに顔を埋めた。 まだまだ幼くて 不完全な私たちは 自分以外の大切な何かが足りなくて、必要で それが悠で私だった。 家族が二人きりの私と 孤独を感じていた悠 きっと、これから私たちは淋しさを抱えながら笑える。 繋いだ手に優しさを閉じ込めて離さない。 悠。 と呼んで見上げて微笑む。 それから二人同じ方を見る。 街灯と窓から漏れる明かりの中 私は あの、風が強く吹いた朝を思い出す。 …………悠 大好き
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