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「君は綾を知っているのか」
「まあね。でも契約は終わったんじゃないん? 1年経ったやろ?」
「契約?なんの?」
「もしかして契約終わったのに......古田さんまだ戻ってないんやね?」
「それはどういうことだ?」
彼女は僕の名前を知っている。でも綾とは違う......
「あ、ごめん。私が言えるんはここまでやさかい。待ち合わせ相手も来たからここでな」
彼女は逃げるように立ち去ろうとした。
「どういうことなんだ教えてくれ」
「ともかくあんたが日記のバイトしてたとこ行ってみ。じゃあ さいなら」
彼女は慌てて待ち合わせの相手だという、リーマン風の男のところに、駆け寄ると行ってしまった。
僕は頭が混乱して、ボーゼンと立ち尽くしてしまった。
僕のことも知ってるけど綾じゃない。別人。
契約って?
日記のバイト?
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