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ふと目を開けると、辺りは真っ暗でした。
きっと泣いているうちに寝てしまい、夜になったんでしょう。
汗でベタベタしている体を洗おうと立ち上がろうとすると、体が動きません。
金縛りに遭ったんだと、瞬時に理解しました。
きっと、娘が私の言葉に怒ってこのようなことをしていると思いました。
「ごめんなさい…情けないなんて言って……貴方の気持ちも考えてやるべきだった……」
「甘えん坊のままでいいから…ごめんね…」
『違う』
聞こえてきた声に顔を上げると、そこには娘がいました。
思わず背筋が凍りました。なぜかって、それはわかるでしょう。
『ママは悪い人』
「えっ……どういうこと?」
『わかるでしょ、だって』
『ママが私を殺した』
そうだ、私は昨日の夜。
娘を車で探していると、人気のない道路をふらふら歩いている娘を見つけた。
道路の真ん中を歩く娘。
少し魔が差しました。
ここで轢いたら、娘に悩まされることはない、自由な時間ができると。
そしてアクセルを踏み________
『ね。』
「………」
『黙ったまま?』
『ねぇネェねぇねぇネェねぇねぇねぇねぇネェ!!!!!!!』
私は気を失いました。
・・・
今、私は警察には捕まっておらず、ふたり静かな生活を送っています。
『ママ、寝よう』
「うん」
娘はあの夜、それ以上何もすることはありませんでした。
ただ、一つ。
娘は幽霊になり、四六時中私についてきています。
そして今まで以上に甘えん坊になりました。
きっと明日も、これからも_______________
とても後悔しています。
もう私に、一人だけの生活は訪れないのでしょうか。
なぜあの時、私はアクセルを踏んだのでしょうか。
いつか娘が独り立ちすれば、少なくとも自由になれたでしょう。
一生、私は娘を殺した、という罪悪感と一緒に娘と生きていかねばならないのしょうか。
『ママ、早く』
「はいはい」
今日も私は、娘と一緒に生きる。
くっつき娘 END
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