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会社の昼休みに携帯電話が鳴った。
妻の妊娠の報告を聴いて驚く龍司だった。
「じゃあ、小百合の誕生日に愛し合った時の子供かもしれないね。素晴らしいね。僕もいよいよ父親になるんだね。ちょっとまだピンとこないけど。小百合、体大丈夫か?」
龍司は会社から外に出て、街中にある広い公園の噴水前にある白いベンチに腰を降ろした。
歩きながら座りながらずっと小百合と携帯電話で喋っていた。
小百合の妊娠をまるで祝うかのように、突然空中に飛び立つ鳩の群れ。
もう季節は冬だったが、龍司の胸は熱く踊った。
以前から子供を欲しかった龍司にとって、今日は最良のめでたい1日となった。
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