116人が本棚に入れています
本棚に追加
「私、吉岡愛子と言います」
女は名刺を渡してきた。名刺には携帯のアドレスと電話番号が印刷されていた。
龍司も慌てて自分の名刺を渡した。
「龍司様とおっしゃるんですね。宜しくお願い致します。また何か困った時に助けて頂けませんか?ご迷惑じゃなかったらお願いします」
愛子は男心を擽る絶妙な微笑みで、やはり、口紅と同色の赤みがかったピンク色のネイルが施された指先で名刺を渡してきたのだった。
二人はまた来週、この『いっぷく亭』で食事する事を約束して別れた。
最初のコメントを投稿しよう!