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血の滴るようなミディアムのサーロイン牛ステーキを小さく切り刻んで口に入れた。
柔らかくてジューシーでスパイスの効いた味覚は、幸福に満ち足りた気分にさせてくれた。
「美味しいものを一番好きな人と食べるのって、最高に幸せなひとときだと思うわ」
小百合は龍司に感謝の言葉を述べた。
「どういたしまして。小百合がこんなに喜んでくれるならお安い御用だよ。いつも仕事で忙しいのに、ちゃんと僕にも毎日お弁当を作ってくれているんだから。たまにはこんな贅沢位ちっとも惜しくはないよ」
龍司は微笑んだ。
紺のスーツがよく似合っていた。
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