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「みなさん落ち着いて、これは大事件ではないですか?」  【妄想母】へもう一枚バスタオルをかけてくれる紳士応対をしたバーテンダーさんは、そこにいる全員の目を見つめ回ります。 「母さんと一緒にお風呂に入っていたのは、あなた方三人ですね?」 「そうだよ」 【サッキー】のしっかりとした返事に頷く【バーテンダー】さんは、では犯人を探しに行きましょうと、【妄想母】の手を握り、脱衣所を出ようとします。 「待て、私は裸だ。みんなが私のあられもない姿を見て、喜び倒れるかも知れない」  よく分からないことを話す妄想母へ、相変わらず【ミサリン】は面白そうに笑い【すみすん】は冷静に頷き【サッキー】は困ったように見つめていて【日向桜】はどうしましょうと一人慌てていました。 「あなたの魅力はバスタオルで隠れてるから大丈夫。犯人にあなたの素敵な服を処分されちゃう前に、捕まえてしまいましょう」 「もう、バーテンダーは強引なんだから」  頬を赤らめて笑う【妄想母】の言葉に、誰も反応しないまま、ゾロゾロと脱衣所から一つ上の階にある客室へ足を向けました。
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