第7章 過去

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 何を言っても、自分の方が優れていると言って聞かない信之助。  自分は漢助に勝った。そう思って疑ってなどいない。 「あの女だって可哀想に……俺が目を付けなければ死なずに済んだ」 「……っ」 「じゅったんの所為だよ」 「なっ……」  雪音の死は十汰のせいだと言い出した信之助。でも、それは本当の事で、雪音は十汰のせいで死んだような物だった。  そんなの、考えてもいなかったのに……。 「じゅったんだって同罪だよ。俺と同じだ」 「違う! 俺の所為じゃない! お前がそんな事を他織に言わなければこんな事にはならなかった! 雪音さんは……死ななかった!」  信之助は十汰の所為にして心を壊そうとしたが、そんなのただのマインドコントロールと同じだ。  十汰の心を壊し、側にいるのは自分だけと仕向けたいだけなのだと、十汰にはそう思えた。 「フハッ。うわー、こんなにも性格って変わる物? 昔のじゅったんは俺に触られただけで声も出せなかったくせに。ないわー……」  信之助はそう言うと、パソコンを触ってある画面を見せて来た。  これでどうだ、とでも言う顔で……。
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