第8章 嫌悪

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「何よその言い方! こっちだって上司に説明するの大変だったのよ! なかなか信じて貰えなかったし、聞いてくれるまで大変だったんだから!」 「だろうな。だから、誠も一緒に向かわせたんだろーが」 「うっ……」  警察官が関与した事件に、上司もどう判断するか悩んだのだろう。そうなる事は漢助には想定内だったようだ。 「まぁ、僕の言葉で納得させたけどね。相手は真っ青になってたけど」  そう言って、ニコッと笑う誠。その納得させた内容を聞くのが怖い。 「なんて言って説得したんだかな。本当、怖い男だよ……」  漢助はそう言うと、誠に小さく〝助かった〟と告げた。 「白石先輩……」 「あんた、よくも他織を使って私を拉致させたわねっ! このスーツすっごく高かったんだから!」  そう言って、絢は腰を抜かす信之助の襟首を掴んで、左右に振った。  余程高いスーツだったようだ。確かに、傷や埃が付着していた。 「だから、ボロボロの物着とけって言ったろ……」 「いーやーよ。私はスーツはちゃんとしたのを常に着ていたいの!」 「あー、そうかよ」  漢助は呆れながらそう言うと、元気そうでよかったと絢に告げる。その言葉に絢は笑う。 「誰に向かって言ってんのよ。私は上に立つ女よ。こんな事で泣いてなんていられないわ」  そう言って、信之助に手錠を掛ける絢。     
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