第3章 開始

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 何故、十汰がそこに盗聴器があるのかを気付けたか。それは、見た時にコンセントに小さく書かれていた社名が反対だったのだ。  つまりは、ここに盗聴器を着けた人間が、慌てていたのか、逆さまに嵌めて元に戻したと言う事だった。   「か…漢助……」  十汰はその恐ろしさの余り、ぎゅっと強く漢助の腕を掴んだ。  そんな十汰を落ち着かさる為か、漢助が優しく十汰の頭を撫でてくれた。 「この依頼、やっぱり何かあるな……」 「やっぱりって……?」  漢助が訝しい顔になる。  その顔を、十汰は上目遣いで見詰める。 「この依頼には、誰かが関わっている」 「え……?」 「簡単に片付けられるような話しじゃないって事だ」 「じゃぁ、この事故には何かあるって事?」 「あぁ。確実にある」  漢助はそう言い切り、さきえの元に戻った。  そして、さきえに断言する。 「娘さんの真実、俺が暴いてみせます」  その目は真実を暴く事だけを見詰めているようだった。  でも、その目を見詰めれば嫌でも分かる。  俺の彼氏は名探偵、らしいという事を。
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